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なお別途記述の応答時間信号発生器で作られた100μsの応答時間信号は、図3−2の「受信抑止信号回路」で応答電波より僅かに長い105μsに引き伸ばされ、受信器にフィードバックされてこの期間だけSARTの受信機能を停止させ、他のレーダーからのパルス波を受信できないようにする。この受信抑止は、先着したレーダーへのSARTの応答を確実にする他、後述の複数のレーダーやSARTの同時動作のレーダー映像上の混乱を防ぐためのものである。
図3−3のSARTの応答波を受信したレーダー側では、図3−5に示す通り周波数掃引している応答波の内でレーダー受信器を通過する部分により櫛の歯状の映像信号fが作られ、レーダー映像上に等間隔多点(12点)のSARTコード(符号)を表示する。この遭難であることを識別するための「SARTコード」は、IMOの総会決議書Res.A.530(13)で「等間隔多点シンボル」として定められる。
記述の通りレーダーシステムでは1μsが150mに相当するので、100μsのSARTの応答波によるレーダー映像上の等間隔多点のSARTコードの全長は15?になり、1海里(nautizal mile:NM)は1852mであるので約8NMの読取り長さで表示される。SARTコードは視認性上でモールス符号と異質のコードを選んで設定しており点の絶対数は重要な意味を持たない。

 

 

 

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